好きな花

あなたの少し強引なところとか、軽いノリのしゃべり方。
そのどれもがわたしの苦手とするものばかり。
だけど、不思議。
あなたといるとわたしは穏やかな気持ちでいられる。
それに気づいたのは最近のこと。
太陽のような笑顔。
やさしい碧の瞳。
―― ねえ、あなたはそうやって、たくさんの女の子をドキドキさせてきたの?



「これは?」
「ナズナ」
「じゃあこれは?」
「それはシロツメクサ」
「じゃあ……」
たくさんの花が咲き乱れる中、あなたは楽しそうに花の名前を聞いてくる。
覚えたての名前を口にしながら花を見つめ、そうして人懐っこい笑顔でわたしを見つめる。
「ほんと、エアリスは花が好きなんだな」
滅多に笑わない人もつられて笑ってしまう、そんなあたたかい笑顔。
「ザックスはどのお花、気に入った?」
するとあなたは……
「これ!」
人差し指でわたしをさす。
「俺はこれがいちばん好きだな」
いつでもあなたはストレート。
恥ずかしくなるセリフを太陽顔負けの笑顔でサラリと言う。



―― ねえザックス
もし、あなたが言ういちばん好きな花がわたしなら……
太陽の光を浴びてキラキラと輝くこの花たちのように、あなたという太陽でわたしをやわらかく包むように輝かせて


2006.6月の拍手SS。
ザクエアはクラティとはまた違った萌えを感じる。

(2006.06.01)
(2018.11月:加筆修正)

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